唾液の豆知識

普段、自分の「唾液」について深く考えたことなんてあまりないと思います。
意識しなくてもあるのが当たり前の存在ですよね。しかし、唾液は私達の口内環境に大きく影響を与える大事な要素。ですから、少しだけ唾液について考えてみましょう。

唾液は透明な体液ですが、最初から唾液として体内で生まれるわけではありません。
元は血液で、それが唾液腺で唾液に作り替えられたもの。その分泌量は、年と共に減少していく傾向はありますが、健康な成人ではなんと１日に1～1.5Ｌ。予想以上に多くの唾液が生成されていることが分かります。

また、唾液には様々な成分が含まれます。
消化作用を助ける酵素アミラーゼ、粘膜保護作用のあるムチン、自浄作用のあるラクトフェリン、抗菌作用のあるLgA、その他にもいくつかの成分と作用がある多機能ぶり。

私達の口内環境が、いかに唾液によって守られているかが分かります。中年以降になると気になりがちな口臭予防にも、自浄作用や抗菌作用を持つ唾液が重要な役割を果たしています。
更に、この抗菌作用により体内に菌やウイルスが侵入するのを防ぐので、特に感染症の予防に効果を発揮します。

これだけ多くの役割を果たしている唾液ですから、その分泌量が減ってしまうのは大問題。
目に「ドライアイ」があるように、口にも「ドライマウス」という現象が起こるのです。ドライマウスを防ぐためには、唾液の元である血液をスムーズに作るために水をよく飲むこと。

次に、たくさん咀嚼すること。良く噛んで食事するだけでなく、キシリトールガムなどを普段から噛むと良いですよ。
また、耳の下から顎下にかけて軽くマッサージして唾液腺を刺激するのもオススメです。