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腸の不思議

私達の体内には大切な臓器が色々ありますが、その中から今回は「腸」に注目してみます。
日本人(アジア人)と欧米人は食べる物が違うから腸の長さが違う・・・なんていう説を聞いた事はありませんか? 
どこから広まった説か分かりませんが、割と一般的にも浸透している通説です。

ここで言う「腸」というのはいわゆる「大腸」を指しますが、結論から先に言うと長さに差はありません。
日本人とアメリカ人の腸を比較した研究でも、同年代なら両人種に差は無い事が分かっています。

ただし、この様に腸の長さには差がありませんが、腸内環境を作る細菌の種類や構成には大きな差がありました。
日本・中国・アメリカとヨーロッパ・南米の計12か国の平均的な腸内環境を比較した研究により、日本固有の特徴として次の事が分かっています。

日本人の腸内にはビフィズス菌が多い事。
炭水化物を分解及び代謝する細菌が他の国より非常に多い事。一方でエネルギー代謝に関連する腸内細菌が少なく、脂肪分の代謝が苦手な事。
海苔やワカメを分解する酵素遺伝子を、他国は最大で15%程度しか保有していないのに対し日本だけ90%もの人が保有している事・・・などです。

ここから分かるのは、日本人はお米など穀類を中心として、ビフィズス菌のエサとなる食物繊維を多く摂取し、海藻類も大昔から食べていた・・・という事。
これが基本的に現代においても日本人の腸に適した食事と言えるでしょう。

ビフィズス菌も多く、他の国と比べても比較的健康な腸内環境です。
ただし、エネルギー代謝が苦手で脂肪を上手く代謝できず、欧米人と比較して圧倒的に内臓脂肪が付きやすいという弱点があるので注意して下さい。

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