最近よくむせるな・・と思ったら

何か食べた時や飲んだ時、間違って気管に入ってむせた経験はありませんか。これは嚥下（えんげ：口の中の物を飲み下すこと）がうまくいかず、誤って気管に入ってしまう「誤嚥（ごえん）」により、気管が刺激されて咳が出る現象。年齢に関係なく誰でも経験のあるものですが、喉の筋力は年齢と共に衰えていくので、高齢になると間違いなく増えていきます。そして誤嚥は肺炎の原因にもなります。高齢者に誤嚥性肺炎が多いのはこれが理由でしょう。ちなみに、嚥下に関わる喉の筋力低下は５０代から始まるので、中高年以降の方は注意が必要です。
しかし最近、若い人でも普段からむせてしまう・・・という人が増えてきました。自分の唾液でも突然むせるなど、特に嚥下が難しくない物でもむせてしまいます。もちろん、年齢に関係なく嚥下障害を引き起こす病気はあります。しかし、そうした病気でないのに若いうちから誤嚥が増える場合、それはストレートネックや首コリが影響している可能性があります。ストレートネックとは、本来ゆるいカーブを描いている頸椎が、前傾姿勢を続けた結果まっすぐになってしまった状態のこと。
スマホ首とも呼ばれるように、スマホやパソコンを長時間見る人がなりやすいと言われています。ストレートネックの人は顎が上がった姿勢になりがち。この姿勢は、唾液を飲み込む時に気管に蓋をするセンサーの働きを悪くしてしまうことがあります。そして、こうした首の姿勢の悪さは首コリも発生させるのです。首コリも、首の筋肉が緊張して神経を圧迫することで、嚥下障害を含む様々な不定愁訴を引き起こす可能性があります。自覚症状がある方は、是非ご自分の首の姿勢を意識して、ストレートネックや首コリの改善をご相談ください。